スリー・トゥ・ザ・パワー』 (3...to the power of three) は、キース・エマーソン、ロバート・ベリー、カール・パーマーのトリオである3(スリー)が1988年に発表したアルバム。

解説

内容

ベリーが作曲した作品が半数を占める。彼の作品の基本はメロディ重視のポップ・ロックで、エマーソン独特のシンセサイザーを主体としたアレンジがなされている。

エマーソンがエマーソン・レイク&パーマー(ELP)で披露したアクロバット感覚の速弾き演奏やモーグ・シンセサイザー独特のサウンドは影を潜め、ELP解散後に担当した映画音楽で用いていた曲想が大半を占めている。彼が主導して作曲した作品は「デスデ・ラ・ヴィダ」と「オン・マイ・ウェイ・ホーム」の2曲。「オン・マイ・ウェイ・ホーム」は、1987年に病没したトニー・ストラットン・スミスを偲んで彼が作詞・作曲した。

「霧の8マイル」はザ・バーズがアルバム『霧の5次元』に発表してシングル・カットした曲のカバー。

ジャケット

ジャケットの中央に大きく「3」、右端に「...TO THE POWER OF THREE」と書かれている。

評価

音楽的に好評であったという証拠は見当たらない。アメリカでは最高97位に終わり、メンバーの知名度を考慮すると商業的には失敗だった。このメンバーと方向性では「商売」にならないと結論され、バンドは1988年4月から5月に行われたアメリカ・コンサート・ツアーの後に解散した。

収録曲

  1. トーキング・アバウト – Talkin' Bout (Robert Berry)
  2. ラヴァー・トゥ・ラヴァー – Lover to Lover (Keith Emerson, Berry, Carl Palmer)
  3. チェインズ – Changes (Sue Shifrin, Bob Marlette)
  4. デスデ・ラ・ヴィダ – Desde la Vida
    1. ラ・ヴィスタ – La Vista (Emerson, Berry, Palmer)
    2. フロンテラ – Frontera (Emerson)
    3. サングレ・デ・トロ – Sangre de Toro (Emerson, Palmer)
  5. 霧の8マイル – Eight Miles High (Gene Clark, Roger McGuinn, David Crosby)
  6. ランナウェイ – Runaway (Berry)
  7. ユー・ドゥ・オア・ユー・ドント – You Do or You Don't (Berry)
  8. オン・マイ・ウェイ・ホーム – On My Way Home (Emerson)

参加ミュージシャン

3
  • キース・エマーソン – キーボード
  • ロバート・ベリー – ボーカル、ギター、ベース、プロダクション
  • カール・パーマー – ドラムス、プロダクション
その他
  • Suzie O'List – バッキング・ボーカル
  • Kim Liatt J. Edwards – バッキング・ボーカル
  • Lana William – バッキング・ボーカル

チャート

アメリカでは最高97位。

脚注

注釈

出典

引用文献

  • Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0 

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